【1981年】ルビーの指環 寺尾聰
~漢字一文字が男を縛る

あの一曲をトーク 1981年 冬 2月 寺尾聰 師匠 たまオネ トミー メグ

目次
  1. 「誕生石」を普通の男は知らない。ルビーの指環
  2. CINEMA HOTEL
みんなが知ってる大ヒット曲を持ってくるのは勇気がいります。
大抵の内容は語り尽くされていますからね。
でもこの店は大丈夫。トンデモ解釈とポンコツ談義をいつものメンバーがしています。

今日は嘘くさい青も本人は真実と思い込んでいるきれいなカクテルを。後味は本物でも本気でもなかった。
・ブルーキュラソー
→ 嘘くさいほど鮮やかな“舞台用の青”
・ウォッカ 少量
→ 男の自意識。強いが中身は薄い
・レモンジュース ひと絞り
→ 朝の現実が差し込む瞬間
・トニック or ソーダ
→ 映画っぽい爽快感(後味だけ)
角の多いクラッシュアイスで。
B面用に取っといてください。

木曜日のタマネギ - 楽曲検索:ルビーの指環 寺尾聰
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「誕生石」を普通の男は知らない。ルビーの指環


メグ
まったく、久々に店来たら、酔っ払った師匠とトミーさんが「時には娼婦のように」って、いつからここはエロ歌謡バーになったんですか!ぷんすこ!
師匠
あはは、野郎集まるとろくでもない会話を始めるって基本なんでな。
この曲は「女心」が読み取るのに必要な曲だから、メグちゃんが来てくれてよかったよ。

ルビーの指環
寺尾 聰
1981/4/5

発売:1981年2月
「ルビーの指環」寺尾聰
作詞:松本隆
作曲:寺尾聰
編曲:井上鑑
メグ
ルビーは7月の誕生石よね。結婚指輪の裏に相手の誕生石を入れるのよ。
男の人って誕生石とか疎いじゃない?トミーも師匠も奥さんの誕生石ちゃんと知ってるの?
トミー
んー、なんとなく覚えてるけど、石の名前ってなんかカタカナ多くて覚えられないんだよ(笑)
そもそも1981年当時、しかも2年前を振り返った恐ろしく未練な曲の時代に結婚指輪に誕生石入れるってあったのか?
たまオネ
誕生石という概念は古いのよ
・誕生石(Birthstone)自体は
👉 西洋由来で、日本には戦前〜戦後すぐにはもう入ってきてる
・宝石商・百貨店レベルでは
👉 1950年代には普通に使われてた言葉
だから「誕生石」というワードそのものは
1980年に突然出てきた流行語じゃない。

●じゃあ“結婚指輪に埋め込む”のは?
ここが肝だけど、
✔ 1980年前後、存在はしてた
ただし👇
王道・多数派 → シンプルなプラチナの甲丸
誕生石入り → ややロマン寄り/個性派
つまり
**「みんなやってる」ではないが
「知ってる人は知ってる」**ポジション。
師匠
まぁ、裏石だと見つけられないから「婚約指輪」だったんだろうな。
彼女から「誕生石はルビー」と聞いて大枚はたいて買った「婚約指輪」。
別れるときに返すと言われても処置なしだからな。次の相手に中古品渡せないし運よく7月生まれの娘と付き合うとは限らない。サイズは直さなきゃならんしな。
彼女は捨てたのか換金したのか、多分2年後にはつけてないはずなんだよ。
トミー
愛を誓って、少し洋かぶれな彼女と百貨店のブライダルコーナーまで行った二人がだ。
婚約指輪作って渡したはいいが、結局はお別れすることになった。
多分男にとって指輪って特別すぎてあまりにも印象に残ってるんだろうな。
当時天然石ルビーは高価だったろうからな。お財布にも優しくないので印象がさらに強くなる。
今は含浸処理できるから天然石でもお手頃価格のものもある。今の価値観で話すと価格価値も覚悟も変わってくる。
師匠
あはは、ルビーの値踏みまでできる歌謡曲バーだ。
その高価な品、男が返さなくていいって言うならば、速攻換金だよな。
「男が知らないところであっさり処分されていた」というのが裏に透けるのが男の惨めさを際立たせる。
メグ
彼女側は次のフェーズに進んで、指輪を処分して記憶を整理して新しい生活に向かってる。
でも彼氏側はいつまでもベージュのコートとルビーを探し続ける。
ルビーは処分しないと意味が個人すぎるからね、絶対彼女の手元にないと思うのよ。
彼は手元にあると信じてるからよけいに惨めよね。

ただね、タイトルの「指環」って「指輪」じゃないのよ。物質的な意味じゃなくて「終わりがない」って意味の「環」
彼はだから指輪を受け取らなかった、離れていったけど、彼にとっては「環」なのね。巡る縁みたいなのを一生感じてる。
でも、正直相手の女性にとっては迷惑よね。
たまオネ
「指のリング抜き取ったね」がそうなんだよね。
ここでは 英語(ring)
=行為としての「外す」
でもタイトルは
ルビーの指環
👉
外したのは指輪
物質的な行為としての「外す」じゃなくて
外れない「指環」
二重構造なのよ。
トミー
うわ、ゾクッとした。そんな意味考えもしなかったよ。
単なる失恋ソングから怨念こもって男の中ではループしてる・・・「環状線」やないかい!
師匠
全く前に進む気がない主人公が陥った感情のループ。それも表してるとすれば松本隆さん策士だな。

CINEMA HOTEL


メグ
またB面は配信なしなんですか?曲の感じが凄く良いんで、みんなで聴きたかったんだけどな。
1980年代って、やっぱり女の子は可哀想で男の子は助けたいって妄想があるんじゃないかなって。
この女の子、商売女とか、普通の恋愛関係じゃないの歌詞の中でわかるのに、登場人物の彼だけが純朴なの。
「CINEMA HOTEL」寺尾聰
作詞:松本隆
作曲:寺尾聰
編曲:井上鑑
トミー
ははは、メグちゃん、それは当たってると思うよ。
男の選択肢全てダメな感じじゃん。
・朝の光で現実に戻りたくない
・実際寂しい身寄りない女かわからない
・エナメルの靴が人生語ってるとは限らない
・愛って言ってるけど遊びだよね
実際はデリヘル呼んだ感じがしちゃうんだよな。朝までコースは高いぞ。
師匠
ひでぇ言い草(笑)
でも、そういう罠を映画仕立てにして「ブルーの朝焼けが俺たちのホリゾント」って歌詞がもう、痛くてみてらんない。これぞ童貞拗らした感じに見えちゃう。
それこそ酸いも甘いも知った娼婦のお姉さんに「出すもの」だけじゃなく魂もすべて抜かれてしまいましたって曲。
これさ、曲はめちゃめちゃ格好いいんだよ。だから歌詞の主人公の幼さとか青さが際立つ。
たまオネ
そうね、「ホリゾント」を使った瞬間にバレる
ホリゾントってさ、
・演劇用語
・背景幕
・本物の空じゃない
つまりこれ、
👉 二人の関係は最初から“セット”
なんだよね。
本物の未来じゃなくて、
舞台装置としての朝焼け。
それを「俺たちの」って言っちゃう痛さ。

でもね、1980年初頭の「男の青さ」
今聴くとキツいけど、当時はこれが成立してた。
・男が「世界を語る役」
・女は「投影される存在」
・その構造がまだ残ってた
だからこそ、
今聴くと青すぎて直視できない。
メグ
なんかふたりとも似たような経験がありそうなのよね。
「一晩で大人になったつもりの少年の敗北」
でも本人は格好良くエンドロールが回ってる映画の主人公なのよ。実際には香港映画みたいにNGシーンが繰り返されてるの。
師匠
まぁ、たしかにな。
一晩で何かを悟った気になりながら、相手の人生は変わっていない。エンドロールは回ってるのにオチもなければ映画として成立もしてないんだよな。
トミー
もっと残酷なのは、男はうまくいかなかったNGを思い出すけど、女の子は撮影(この客)が終わったら次の現場行くだけなんだよ。
それを僕達は観客席で見ててどっちの感情にも全く寄り添えない。
笑えないけど名曲なんだよね。

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