【1979年】ジパング ピンク・レディー
~昭和歌謡ど真ん中なのに最大の異端児なの

あの一曲をトーク 1979年 春 3月 ピンク・レディー 師匠 トミー アイ

目次
  1. 「信じなさい!」ジパング
  2. 「A面候補だった実力曲」事件が起きたらベルが鳴る
数年前くらいから「日本はすごい国」「自分の国を見直そう」みたいな話があって、確かに日本の技術力だったり日常の生活しやすさだったりというのはそこに住むだけでは見えないというものがあります。
1979年の日本。前年にキャンディーズが解散、西遊記や銀河鉄道999などの架空旅行的なSFも流行り、そして山口百恵さんの「いい日旅立ち」から日本を見つめ直すディスカバー・ジャパンの定着という時代背景もあったんじゃないかしら。

今日はココナッツの甘さと日本的な世界観でマリブ・グリーンティーをお出ししましょうか。

木曜日のタマネギ - 楽曲検索:ジパング ピンク・レディー
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「信じなさい!」ジパング


トミー
師匠!ピンク・レディーって、ほら、もう少し、誰でも知ってるやつがあるじゃんよ。
ジパングって記憶あるような無いようなだぜ。
師匠
まぁ、そう言わないで、この曲なかなかいいんだよ。ピンク・レディーのアメリカ進出直前でさ、色々変化を模索していた時代だとも思うんだよ。だからこそ、ピンク・レディーの肩書を外して聞いてみると別の発見があるかもしれないぜ。

ジパング (2022 Remaster)
ピンク・レディー
1979/3/9 (3:28) 1643467948

発売:1979年3月
「ジパング」ピンク・レディー
作詞:阿久悠
作曲:都倉俊一
編曲:都倉俊一
アイ
じゃじゃーん。
あら、またこの二人。もう、たまには新しい客連れてきなさいよ。
今日はピンク・レディー?しかもこの曲。師匠は選ぶ曲がいちいち捻くれてるのよ。
師匠
まぁ、新キャラ登場させると、その準備が面倒だからな。
年度末は僕の本業も忙しいんだよ。
でもさ「この世の楽園」だからな。1960年代に某国を「この世の楽園」って帰還政策にのっとって旅立った人の記憶もまだ生々しかったんじゃないかな。
東へ東へだから「西洋」から見た日本を見てるし、その「西」に向かうことを決めてるピンク・レディーのスタッフから見ると「西洋からの見え方」を意識してるのかもしれない。
恋愛もなく性的要素もなく「地球はまるい」だ平和じゃないか。
トミー
とはいえだ、ミラクルアイランド!未来を信じて愛の光に満ちた楽園だもの、ほぼ宗教的だよ。
信じる者は救われる、どういう要素があったんだ?
アイ
そうねぇ。
1979年前後って、まさに**「日本を見直す空気」**がじわっと出てきた時期なんだ。
高度成長が終わって、
「外へ外へ」だった価値観が一回落ち着いて、
“日本って何なんだろう?”
っていうムードが出てきた。
■ 日本再発見ブーム
70年代後半にいくつか象徴的な流れがある。
ディスカバー・ジャパンとか1970年から続いてたけど、70年代後半に完全に定着。
京都
奈良
地方の古い町
「日本を旅する=文化を知る」
っていうイメージを作った。
師匠
ここで
・黄金の島
・ミラクル・アイランド
って「外国から見た日本の理想像」だよな。
外から見た日本+日本再発見ブーム

阿久悠先生は「日本は素晴らしい」とは言わない。
でも「ジパングという幻」を歌う。ちょっと距離を取ってるような気がする。
トミー
それをピンク・レディーでやるのは皮肉なのかもな。
歌って踊ってるのはミニスカでディスコ歌謡だもんな。
少なくとも格好に「和」の要素なんか一つもない。
そこに歪んだ魅力を感じる曲なのかもしれん。
アイ
ピンク・レディーの二人はすごく頑張ってたんだろうけど、
ちょっとマンネリ感があって「終わり」をちょっと予感させる。
そこで出てきた曲のスケールがやたら大きい。
次の路線を模索して、海外進出も狙って、挑戦してる。
でも、本人たちは忙しすぎて気がついていない。
そこに矛盾や歪みが感じられるからこの曲に魅力を感じるのよ。

「A面候補だった実力曲」事件が起きたらベルが鳴る


師匠
B面も聴いていこう。諸説によればこちらがA面候補だったようだね。
たしかにピンク・レディーの楽曲ってどこか「事件」が起きるんだよ。
そう思うと「ジパング」のほうが平和的だよな。

事件が起きたらベルが鳴る (2022 Remaster)
ピンク・レディー
1979/1/1 (3:59) 1643467948

「事件が起きたらベルが鳴る」ピンク・レディー
作詞:阿久悠
作曲:都倉俊一
編曲:都倉俊一
トミー
そもそも事件が何かがわからないけど、前兆だけはわかる。
火曜サスペンス劇場のイントロ部分みたいなもんだ。
アイ
なんかね、都市の匂いがするよ。
🌃 夜の都会
🚬 男の直感
⚡ 危険な匂い
ピンク・レディーの歌というより
70年代ハードボイルドの世界。
ジュリーが歌っても成立しそうなの。

でもピンク・レディーが「俺」って男のモノローグを歌う。世界がゆがむ感じが良いよね。
師匠
この歌い手=主人公じゃないって昭和歌謡あるあるをアイドル歌謡でやるのが挑戦だったんじゃないかな。
A面の幻想と
B面の現実が交錯する。
ベルはそれを知らせるワード。
男性言葉をアイドル二人が歌う色気もある。
トミー
「頬にルージュをつけたままでは 行かれやしない」だぜ。ハードボイルドだもんな。
役柄を決めて誰に歌わせるか。
でも聴いてると、ああ、ピンク・レディーだなってわかるのがいいんだよな。

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